映画の感想
この映画は、「銀河鉄道の夜」を書いた宮沢賢治の父の話で、直木賞を受賞した原作を映画化したものです。
宮沢賢治に関する筆者の知識は、映画「幕が上がる」で出てきた演劇の場面と学生時代に学んだ「雨ニモマケズ」くらいだったため、この映画を観て、多くの気づきがありました。
まず、印象的だったのが、家と家業の存続を最優先に考える宮沢賢治の父である宮沢政次郎と自分のやりたいことを優先させる宮沢賢治の考え方の違いです。
民法の家制度や家督相続制度がなくなり、個人の尊重が何よりも重視される現代の感覚だと、宮沢賢治の考え方が正しいとされるのでしょうけど、明治後期から大正という当時の時代背景を考えると、多数派は宮沢賢治の父と同じ考えだったのでしょう。
現代の感覚が通用しない時代があったということを映画を観ることで具体的に感じることができただけでも、収穫があったといえると思います。
また、この映画には、3人の死のシーンが出てきます。
宮沢賢治の祖父と宮沢賢治の妹と宮沢賢治の死です。
宮沢賢治の妹が祖父に言った言葉は、きつい言葉ながらも優しさがあり、心に訴えるものがありました。
妹と本人は、結核により、道半ばで死去してしまい、自分に置き換えて考えると、辛いものがありました。
ラストの病床での宮沢賢治の父が宮沢賢治に対し、「雨ニモマケズ」を朗読したシーンは、実際にあったことでも、原作にもないもののようですが、心に響きました。
映画館の感想
ゴールデンウイークでどこの映画館も混雑が予想されたため、あえて小規模な映画館を選びました。
横浜の桜木町にある「キノシネマ横浜みなとみらい」です。
なお、この映画のエンドロールで製作会社が木下グループであることを知りました。
映画鑑賞の記録
場所 映画館 kino cinéma横浜みなとみらい
番号 388