これまでに観た映画の感想を10作品まとめて掲載します。
121 ALI アリ アメリカ 2001年 157分 ☆☆☆
<映画の感想>
モハメド・アリの自伝的作品です。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」のフレーズを信じて迫力あるボクシングシーンを期待してました。
でも、当然のことですが、演じているのはボクサーではなく俳優ですから、本当のボクシングのように強く殴ったりはできないんですよね。
ベトナム戦争の徴兵拒否で逮捕された後の裁判について、もっと深く描いて欲しかったと感じました。1、2審では有罪となったのに、最高裁で逆転無罪となったのはなぜなのか、この作品からは直接にはわかりませんでした。
この作品を観た後に、NHKのバタフライエフェクト「モハメド・アリ 勇気の連鎖」(初回放送日: 2022年4月4日)を見て、映画の内容の理解が深まりました。
映画は、同じ映画を何回観ても、同じ感想にならないところが面白いです。
映画を観た時の状況、気持ち、映画に関する知識量は、毎回違いますからね。
今は、アマゾンプライムなどで一度観た映画を気軽に観やすくなったので、上記のことを強く感じています。
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ウィル・スミス ジェイミー・フォックス マイケル・マン
122 日本 1961年 110分 ☆☆
<映画の感想>
対立する2つの集団を一人の侍がかき乱して本格的な抗争にするという話です。
本当などきどきわくわく楽しめるはずなのですが、この作品に構成がよく似た漫画(どらン猫小鉄)を読んでいたせいで、心から楽しむことはできませんでした。
話の流れを全く知らない人にはお薦めです。昔の映画だからと侮ると後悔すると思います。
この映画を観た後に「黒澤明と『用心棒』」という本を借りてきて読んだところ、細かなところにまで様々な工夫がされていることを知ることができました。
映画を観終わった後にこういうドキュメンタリーを読むと、作品に対して作者側がどう考えているのかがわかっていいですね。
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1961年ヴェネチア国際映画祭男優賞
三船敏郎 仲代達矢 黒澤明
123 男たちの大和 日本 2005年 145分 ☆☆☆☆
<映画の感想>
この作品のために戦艦大和が復元されて話題になりました。
作品の構成としてはタイタニックに似ていると思いました。また、戦中の実際の映像を交えることでリアリティを出し、戦後60年記念作品としてふさわしいものになっていました。私の隣に座っていた年配の女性はハンカチとティッシュが手放せなかったようです。
特筆すべきは何といっても戦闘シーンでしょうね。派手な音響とあわせてとても迫力がありました。DVDではなく映画館で観るべき作品です。
エンドロールは長渕剛の主題歌が流れていたということもあって、途中で帰る人はほとんどいませんでした。
<映画館の感想>
丸の内TOEI① 510席
JR有楽町駅から歩くこと5分。上映の20分前に映画館に到着し、中に入ってみると、中央の列はほぼ埋まっていました。公開から結構日が経っているので、それほど混んでいないだろうと思っていましたが、祝日で話題の作品だと混んでいるのですね。中央以外の座席に座ったのは久しぶりです。
2階に2階席がありますが、高いところから見下ろす感じになるので、混んでいるとき以外はわざわざ希望して座る必要はないような気がしました。
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中村獅童 反町隆史 佐藤純弥
124 ミリオンダラー・ベイビー 洋画 2004年 133分 ☆☆☆
<映画の感想>
女性ボクサーの話という事前情報のみで観ました。ボクシングの試合のシーンでは痛々しい場面があり、思わず目を背けたくなるようなところもありました。
この作品の主題は、人生をいかに生きるかという点にあると感じました。勝つために何でもやるか、どんなことになっても生き続けるかなど、深いところで考えさせられる作品だと思います。
観て後悔するようなことはないと思いますが、個人的にはあまり合いませんでした。
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2004年アカデミー作品賞 主演女優賞 助演男優賞 監督賞
クリント・イーストウッド ヒラリー・スワンク クリントイーストウッド
125 ヒトラー~最期の12日間~ ドイツ 2004年 155分 ☆☆☆
<映画の感想>
ミニシアター公開作品ながら、連日立ち見が出るほど話題になった作品です。映画館まで観に行こうと思っていたのですが、近くの映画館では上映されていなかったので、DVDになるのを待っていました。
「esエス」の監督の作品ということで、怖いシーンがあるのではと心配していましたが、正視できないような場面はありませんでした。
ストーリーはドイツの崩壊を秘書の目から見るという形で進んでいきます。実際に起こった歴史ということを考えると、その深刻さがよくわかると思います。独裁政治の怖さを実感できますね。
特に、ゲッペルス夫人が6人の子供を自らの手で殺す場面は印象的でした。喫煙シーンが多かったのも個人的には気になりました。地下での生活でストレスがたまっていたのでしょうね。
この作品を観て、ドイツの戦争犯罪に興味をもったので、ニュルンベルグ裁判について時間があれば調べてみたいですね。
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ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ラーラ オリヴァー・ヒルシュビーゲル
126 コーラス フランス 2004年 97分 ☆☆
<映画の感想>
2004年アカデミー外国映画賞にノミネートされたフランス作品です。音楽絡みの作品にはずれはないので、観ました。
話の途中で学園ドラマならではの理不尽なことも多々ありますが、最後にはうまくまとまるので、観終わった時には幸せな気持ちになれると思います。
期待しすぎていたため、個人的な評価は低くなっています。期待せずに見ていれば、もっと感じるところがあったことでしょう。
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ジェラール・ジュノ ジャック・ペラン クリストフ・バラティエ
127 海猿 日本 2004年 120分 ☆☆☆☆☆
<映画の感想>
前情報なしで見たので、踊る大捜査線のように大きな事件が起こり、それに対して力をあわせて対処するというよくあるストーリーだと思っていました。
でも、実際は潜水士の成長を描いた青春ドラマだったのですね。
最後まで絶対に諦めないという姿勢は、日々司法試験に向かって努力している私にとっては共感するところが多く、映画を観ている最中は心の琴線を刺激されっぱなしでした。
また、いざというときには仲間を見捨ててでも自分の命を守るというカルネアデスの板のような事態でも、第三の方法を見つけるという発想には驚くとともに感動しました。
一歩離れたところから観ると、よくあるベタなストーリーだなと思ってしまいますが、思いっきり仙崎(伊藤英明)に感情移入していた私は後半涙で画面が見えないほどでした。映画でこんなに泣いたのは初めてだと思います。
一度は諦めたけど再び挑戦して成功したとか、諦めずに頑張って成功したとかいう話に弱いんですよね。
要所要所に流れるジャーニーの「OPEN ARMS」や加藤あい演じる伊沢もストーリーに彩を添えており、文句なしで最高評価としました。
この作品が好評だったため、この続編が2005年冬の連続ドラマになり、さらに続編が2006年春の映画第2作目「LIMIT OF LOVE 海猿」として公開されることになりました。こちらも是非見ようと思います。
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伊藤英明 加藤あい 羽住英一郎
<ドラマ版の感想>
映画で海猿にはまったので、その後を描いているドラマ版をDVDで借りて一気に見ました。
登場人物は映画を受け継いでおり、一つの物語として全く違和感はありませんでした。主題歌はジャーニーの名曲からB’zの「OCEAN」に変わっていましたが、これはこれでよかったと思います。去年のB’zの東京ドームライブのアンコール1曲目で歌った後に稲葉さんがドラマも面白いので見てねとお薦めしていた理由がわかりました。
128 きょうのできごと 日本 2003年 110分 ☆☆☆☆
<映画の感想>
あまり期待していなかったのですが、予想に反してよかったです。
特に何があるわけでもない若者の日常を描いた作品は、住んでいる時代も背景も異なる年配の人には受けないのは当然でしょうね。監督も若者を対象に作品を作っているでしょうし。
ストーリーは京都の大学院に進学する正道(柏原収史)の引越し祝いから始まり、同時進行で様々な出来事が起こります。壁にはさまったり、鯨が座礁したり、動物園で振られたり・・・
舞台は関西ですから、会話はすべて関西弁で音楽は大阪のシンガー矢井田瞳と映画を観ているときは関西にどっぷりつかれます。
何でもないようなことが幸せなのでしょうね。
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妻夫木聡 田中麗奈 行定勲
129 鉄道員 日本 1999年 112分 ☆☆☆☆
<映画の感想>
浅田次郎の原作を読んで、映画化されたこの作品に興味を持ちました。一般に原作を読んでから映画を観ると、その端折り具合に不満を感じるものなのですが、本作は原作が短編小説ということもあり、原作にはないものもあったりして、楽しめました。
冬の北海道もよかったです。
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高倉健 大竹しのぶ 降旗康男
130 北の零年 日本 2004年 168分 ☆☆☆
<映画の感想>
淡路島から北海道に渡り、開墾する中でいろいろな出来事が起こる作品です。キャストはどこかで見たことのある役者ばかりなので、3時間弱と長い作品にしては見ていて退屈しません。
ラストサムライの渡辺謙がこの作品ではすごいことになっていたり、豊川悦司が思いのほかかっこよかったりと邦画ならではの楽しみ方もできて、よかったです。
<キーワード>
吉永小百合 渡辺謙 行定勲